現在34歳、今年で35になりますが骨折は一度だけ経験しました。

小学校での放課後のできごと

正確には骨折ではなくヒビですが、当時小学2年生だった私にとっては経験のない痛みと恐怖の処置でした。骨折したのは放課後、友人の家に集まっての遊んでいたときでした。このときの土曜日はまた休みではなく、所謂午後休みの半ドン。友人たちも自然に平日よりもテンションが上がっていました。年齢を考えると友達同士の悪ふざけが度を過ぎて怪我をするのは珍しいことではありません。ですがこの時、友人の蹴りが左手の薬指の第一関節に当たり、経験したことのない痛みを感じました。

指の痛み

声を上げるほど痛いというよりいつまでたっても収まらない痛みという感覚でした。子供の感覚ではそれがヒビを気づかずに「ずっと痛いな。」程度にしか考えず、何を思ったのかティッシュを包帯っぽく巻き付けてそのまま遊んでいました。当然こんな適当な治療法に意味があるはずはなく、ずっと痛いまま遊んでいましたが。しかし、夕方帰宅しても痛みが和らぐ様子がなかったので、両親に連れていかれた病院でヒビが入っているということが分かったのです。

病院での診断と手術

医者からレントゲン写真を見せられて

「ほら。ここヒビ入ってる。」

とはっきり言われたのを未だに覚えています。子供の感覚からして自分の骨が写ったレントゲン写真は気味が悪く、ヒビが入っていたことを告げられたこともショックでしたが、その当時の私にとっては左手の薬指を固定するためにドリルで穴をあけられて太い針金を差し込まれた手術を経験した怖さの方が上でした。それからビビが治るまでの約3週間、左手を固定されたままの生活になります。これではランドセルは背負えないのでこの期間だけ特別に学校に許可をもらって、トートバッグに教科書を入れて投稿していました。子供の片腕だけの力だと、教科書がいっぱい必要な時間割の日は重くて大変でしたね。天気が悪くて傘が必要な日は面倒だなと思いっていましたが、幸い、治療期間中の登校日に雨が降ったことはなかったです。

1ヶ月の治療と1ヶ月にわたるリハビリ

この時の私は一ヶ月後に固定具が外れれば治療終了で、自由に遊べると思ってました。医者から

「一ヶ月はこのまま。」

だと言われたことを勝手に勘違いしていたのです。もちろん固定具が外れて終わりではありませんでした。ここから固まった指を元通りに動かせるようになるためのリハビリが始まるのです。リハビリはお湯の中で指をまげる練習と電気治療が中心でした。子供の探求心と悪戯心で限界まで電気を上げみたりしたのは少し楽しかったですね。動きが制限された子供にとってはそれも数少ない遊びの1つだったのでしょう。

すぐにはあまり動かすことができませんでしたが、約一ヶ月の間リハビリを続けた結果、左手薬指は

「他の指よりもちょと浮いているかな?」

というところまでは曲がるようになりました。現在では他の指と変わらない程曲がるようになっています。大人になってから周囲にこの話をすると治療中に良かったことを聞かれることもあるのですが、社会人ではないので有休がとれてよかったとか、仕事をサボれて良かったという気分にはなりませんでした。学校でみんなと同じように体育の授業ができなかったり、友達と外で遊べないデメリットほうが多かったです。だけど1つだけ治療中の思い出になっているのことがあります。リハビリ後に毎回親が、病院内のエスカレータ近くの休憩室に設置された自動販売機で飲み物を買ってくれたことです。あの時のヤクルト(当時は2本で100円)がなぜかおいしく感じました。

生まれて初めて経験したヒビの治療は辛いものでしたが、自動販売機で買ってもらう飲み物がリハビリのモチベーションになっていたのが思い出です。