小学6年のときの話です。
小学6年生の時に屋外にある可動式のバスケットゴールの頂上によじのぼって、そこから飛び降りリングにぶら下がるという遊びが小学校5・6年生の男子の間で流行っていました。当時150㎝で50㎏を超えるぽっちゃり体系の自分は運動神経も当然なく、毎日友人がぶらさがってるのを近くで見ていました。ただそれも1週間も経つと周りから「あいつはやらないのか」「へたれ」と馬鹿にされるようになり、小学生男子の自分に「ビビり」「へたれ」のレッテルが貼られたままでは我慢できず挑戦することになりました。
ただ、当然頂上まで登る運動神経はなかったため中くらいまで登り、そこからジャンプしてリングにぶら下がろうと思い、中くらいからジャンプしました。結果リングに指は触れたもののつかむことはできずそのまま落下し、着地も失敗して地面に横に落ちた感じになりました。その時点では自分も周りも「あ~。おしかったなー」程度にしか思っていなかったのですが立ちあがろうとすると利き腕の右手に力が入りません。着地の際に右手をついてしまい、そこに全体重がかかったため骨折し、見ためも手首のところが変形して一部が盛り上がっていました。興奮していたこともあったのか不思議と痛みはあまりなかったのですが、手が動かないのと変な形になっていて周りが騒いでいるので、そのことが怖かったです。
そのままみんなで保健室に直行、順番にみんなが興奮して保健室の先生に報告をするのと、頭とかを打って右手が不能になったんじゃ…という恐怖が出てきて自分は何も言えなかったです。とりあえず先生はパッと見ただけで
「あー。骨折してるね。すぐ病院行こう」
と素早く判断してそのまま先生の車で近くの総合病院まで連れて行ってもらい、応急処置・レントゲン撮影を行い、結果やはり右手首の骨折のため数時間後に手術することになりました。手術はすぐに終わり、部分麻酔ですが麻酔も使っているため念のため数日入院することになりました。このあたり保健室に行ってから手術が終わって病室に戻るまで眠たくてほとんど覚えていないのですが、後から主治医の先生に聞いたところ、それは眠気ではなく、痛みと恐怖で気を失いそうになっている状態だったのだと聞かされました。
2日後に再検査し、きちんと手が動くことも確認したので退院となりましたが、ちょうど成長期ということと、利き腕の太い骨だったことで変な形にくっついてしまったり、成長に影響があってはいけないため、また小学生のため違和感など正確な報告ができるかも怪しかったので、再診はまめに来てほしいとのことで半年間毎週1回通院することになり、もう来なくても大丈夫=完治ですと言われたのは1年後中学生になってからでした。ただ治療といっても基本的には骨がくっつくのは本人の回復力次第ですので、病院でやったことといえば、数か月に1回レントゲンを撮るほかは先生にいわれるがまま手をグー・パーにしたり、触られて痛いか聞かれたりで毎回1~2分で完了していました。
家でも始めはギブスをしていたので安静にしていましたがギブスが取れてからは特に違和感もなく普通に過ごしていました。リハビリとしては手首を固定していたため「手のひらを握る」という行為を数か月しないと指が固まってしまうため、ギブスをしている間も痛みのない範囲で指を曲げていたのと、取れた後は毎日湯船の中で手をグー・パーに開く練習をするように言われ実践していました。
幸いうまく回復し、10年以上経った今私は30歳。事務職で毎日PCをバリバリしていますが問題はありません。ただ小さく目立たないですが傷跡は残りましたし、酷使するとたまにその傷跡付近に違和感や痛みが出ることはあります。小学生のときにかっこつけたばっかりに傷跡が残ってしまったのは少し恥ずかしいですが勇気を出した結果の傷なのでいい思い出として残っています。