小学校の高学年から中学生の頃におっぱいは膨らみ始め女性らしい体つきになっていきます。もちろん個人差はありますが、周りの友達のおっぱいがどんどん成長していき完成形に近づいている15歳・中学3年生の春、私のおっぱいはぺったんこでした。初潮もまだでした。いくら成長に個人差があるとはいえ、いつになったらスポーツブラを卒業できるのか、いつになったら人並みに膨らむのかと真剣に悩んでいました。揉むと大きくなると聞けばぺったんこのおっぱいを一生懸命に揉み、牛乳が良いと聞けばひたすら牛乳を飲んだりしました。もちろん結果はついてきませんでした。そして気にしていないフリをしていましたが同級生のおっぱいと自分のおっぱいを比較して落ち込んでいました。

ところが高校生になると今までの分を取り返すかのようにおっぱいは成長し、あれよあれという間に巨乳と言われる大きさになりました。とうとう私も人並み、いや人並み以上だと浮かれましたがそれも束の間、問題発生です。元々なのですが乳首の色は黒ずんでいるし乳輪の周りには何本かヒゲのような黒い太い毛は生えてくるしで、せっかく大きく膨らんだのに自慢できないおっぱいが出来上がったのです。毛の問題は抜けばしばらく生えてこないので誤魔化せますが、乳首の色の問題はそうはいきません。自分なりにホワイトニングの化粧水でケアしたりしましたが残念ながら薄いピンク色になることはありませんでした。

そんな私です。彼氏なんて出来るわけがありません。いいなと思う人がいても「ゆくゆくはこんな乳首を見せるのか…」と思うと勇気は出ませんでした。それでも毛や乳首の色は服を着ていれば隠せるのでまだいいのですが、大きさは隠せません。特に体育の時間の視線が気になるようになりました。何の運動をしてもおっぱいは揺れるのです。当時は気になりすぎておっぱいが目立たぬように猫背にしたり、どうしても斜めショルダーバックを持たないといけない時はおっぱいが目立たぬように胸の辺りでショルダーストラップを持つようにしたり、服もただただ大きめの物を着ていました。おっぱいが小さくて悩んでいた時よりもコンプレックスは強烈だったと思います。

そんなコンプレックスの塊だった私に転機が訪れます。好きなブランドのお店で服を手に取り見ていたら「それは胸の大きいあなたには似合わない」と言われたのです。客に何てことをと驚く私にその女性の店員さんは「おっぱいは大きくても小さくても女の武器。おっぱいが大きい人にしか着れない服、似合わない服がある。それはおっぱいが小さい人も然り。その人が持っている武器を最大限に活かしておしゃれをすれば人生は変わるから。」と言いました。衝撃でした。元々洋服には興味がありましたがおっぱいを隠す目的だけで選んでいました。

店員さんの話を聞いてそうじゃない選び方をしてみようと思ったのはそれからです。雑誌を見て自分なりに工夫したり、そのお店に行ってファッションチェックしてもらったりしているうちに色んな人から着ている服を褒めてもらえるようになり、似合うねと言ってもらえるようになり、それが自信となりました。あの頃はコンプレックスの大半だった大きなおっぱいも今は大事な武器となりました。武器となってからは自分で言うのもおこがましいのですが、モテるようになりました。いろんな人が声をかけてくれるようになったので人を見る目も養えたような気もします。きっかけはおっぱい目当てでもいいのです。だって武器ですから。そこから人となりを見ていけばいいのです。

相変わらず乳首は黒ずんでいますが昔ほど気にしなくなりました。確かに乳首の色は薄いピンクの方が男性は喜ぶかもしれませんが、大丈夫です。気にしない人もいるし、気にならない人もいます。ただ、毛の問題はそうはいかないかもしれませんが。気を抜くとヒゲのような黒い毛が一本生えていたりするのでこれからも乳輪は私の要注意箇所です。

今はおっぱいがこれ以上引力に負けないように、負けるとしても少しでも先延ばしできるように気をつけています。人によっては何もしていないのにある程度の年齢になってもパーンと張った羨ましいおっぱいをお持ちの方もいらっしゃいますが、必ずしもそうなるとは限らないので大きなおっぱいの人は是非若いうちからしっかりトレーニングしておくことをお薦めします。