自分のおっぱいについて悩み始めたのは、高校生くらいの時からでした。陥没乳頭だったのですが、年頃だったので、周りの友達に聞いてみたり、親に相談することもできませんでした。おっぱいは決して大きい方ではなく、周囲の友達は私より確実に大きいと思っていましたが、大きさについて悩んだことはありませんでした。Bカップで形も普通でしたが、乳首が中に入り込んでいました。片方の乳首は、引っ張ると出てくるというような感じでした。高校生の時、友人の胸を見ることはなく、周りの友達のおっぱいがどんなのかはわかりません。しかし、小さいころの記憶にある、母親のおっぱいとは何か違うと感じていました。

高校生の頃は、人に見せる機会もなかったのですが、看護の専門学校に行き、実技テストで、ペアになって全身の状態を見るというものがありました。それが、上半身裸になってしなければならず、その時が一番悩みました。テストの前に自分の乳首を引っ張ってから臨んだりもしましたが、すぐに元のように引っ込んでしまいます。相手の人は何も言いませんでしたし、表情一つ変わりませんでしたが、何を思われているんだろうとすごく不安になりました。また、その時に相手のおっぱいを見て、やっぱり自分は人と違うんだと思いました。

それから、友人と旅行に行く機会もあり、温泉に入ったりするのは本当に嫌でした。みんな普通に温泉に入る中、私はずっとタオルで体を隠していました。インターネットでいろいろ調べて、マッサージをしたりもしましたが改善せず、乳首の吸引機を購入しましたが、ずっとつけておくもので、痛みやかゆみがあったため、改善が見られるまで続けることはできませんでした。

彼氏ができた時にも、おっぱいのことを気にすることはありましたが、私のおっぱいのことを言ってくる人はいませんでした。専門学校を卒業してからは、それまでに比べて悩むことは減りましたが、次に気になりだしたのが、妊娠をして、出産を控えたときでした。助産師さんにおっぱいを見てもらい、おっぱいマッサージを教えてもらうのですが、助産師さんにおっぱいを見せるのがすごく嫌でした。母乳を飲ますことができないと言われたらどうしようと思いました。そこでは、出産まで乳首を引き出すようにマッサージする方法を教えてもらったのですが、お腹の張りが強く、マッサージはお腹の張りを誘発するため、しないようにと言われました。そのため、結局陥没乳頭が治ることはなく、出産しました。

出産後、授乳が始まった時、助産師さんが乳頭につけるキャップのようなものを貸してくださいました。それをつけると、乳頭が出ていなくても、赤ちゃんは上手におっぱいを吸ってくれました。病院の授乳室で授乳をしている時に他のお母さんも授乳をしておられ、私だけキャップを使用していて恥ずかしいと思っていましたが、私以外にもそれを使用しておられるお母さんが数名おられ、自分だけじゃなかったのだと、すごく安心しました。退院後もしばらくはキャップをつけて授乳をしていましたが、一か月くらいで、キャップなしで授乳ができるくらいになりました。完全に出てきたわけではありませんが、片方は少し突出しており、もう片方は子供が吸うと出てくるようになりました。

おっぱいのことは、誰かに相談するのは恥ずかしく、こんなことで悩んでいるのは自分だけだと思っていたけど、大人になって周囲を見る機会が増えると、意外に同じ状況の人がおられ、すごく安心したのを覚えています。また、同じように出産をした姉と話をしていると、姉も陥没乳頭だったことを知り、もう少し早く相談しておけばよかったとも思っています。