自己紹介と骨折の話

32歳、メーカーで一般事務をしている女子社員です。
仙骨を骨折したときの体験談です。

半年ほど前に尻もちをついて、骨折しました。その日は友達と食事に行く約束をしていて、待ち合わせの場所に行くために地下鉄に乗ったんですが、地上に上がる階段を上っている時に、5~6段上を上っていた外国人観光客のヒールが階段に引っかかり、その人が私の上に落ちてくる形で転びました。私はとっさに避けることもできず、巻き込まれる形で思いっきり尻もちをついて転びました。

その観光客の女性は無傷のようで、そのままぶつくさと文句を言いながら逃げるように階段を上っていき、私も恥ずかしさもあってすぐに起き上がることができました。立ちあがってみると腰は痛いもののお尻は言うほどでもなく、階段もなんとか上がれたので、予定通り友達と食事をして帰宅しました。しかし、帰宅してお風呂に入ると何やらものすごくお尻が痛く、眠ろうにも痛くない姿勢がないため、これはもしや骨折では?と疑い始めました。

整形外科で診察をしてもらった話

仕事がとても忙しい時期で休むことができず、とりあえず次の休みに整形外科に行くことを決めてなんとか仕事に行きましたが、とにかく何をしても痛い!!椅子に座る動作、立ち上がる動作はもちろんですが、階段を上るために片足に全体重が乗る瞬間や、トイレで用を足すことすら激痛で、休みまでの2日間、痛み止めを飲んでも眠ることもほとんどできないような状態でした。休みに病院に行き、まずは問診。階段で尻もちをついたこと、その時は立ち上がれたけど徐々に痛くなったこと、どんな動作が痛いかなどを具体的に説明しました。

「ではレントゲンを撮ってみましょう」

とのことでレントゲンを撮ったんですが、レントゲンの台に上ることも、姿勢を変えることも激痛だし、仰向けでじっとしていられないので大変でした。結局左右とうつ伏せで3枚のレントゲンを撮り、結果説明に呼ばれたところ

「仙骨が折れています」

とのこと。仙骨は尾てい骨の上にあるカニの甲羅のような薄い湾曲した骨で、なだらかにカーブしているのが普通とのことでしたが、レントゲンで見た私の仙骨は「く」の字に鋭利に曲がっていました。

仙骨(せんこつ、英: Sacrum)とは、脊椎の下部に位置する大きな三角形の骨で、骨盤の上方後部であり、くさびのように寛骨に差し込まれている。その上部は腰椎の最下部と結合しており、下部は尾骨と結合している。通常、5つの椎骨から16–18歳ごろに癒合開始し、多くの場合34歳までに完全に癒合する。

仙骨は3つの異なる面を持っており、それぞれが様々な形状を形成する。仙骨は4つの他の骨と関節結合する。全体に彎曲しており、前傾している。前方に凹面になっている。仙骨底は前方に突出し、岬角を形成している。ここが仙骨の最上部である。中央部は大きく背側に湾曲し、骨盤腔の空間を形成している。側方への2つの突出は仙骨翼と呼ばれ、腸骨とL字型の仙腸関節を形成する。

仙椎骨は胚発生のはじめの1月の終わりに、上位の脊椎が形成されたのち形成される。

仙骨の説明(wikipedia)

仙骨骨折の治療方法・治療費用

治療方法を聞いたところ、仙骨や尾てい骨は固定も難しく、保存療法しかないとのことで、先生と看護師さんと私の3人で、痛みが和らぐ姿勢を探して様々なサポーターを試しました。結局腰を支えるためのサポーターと、医療用ガードルを同時につければ一番楽なことがわかり、痛み止めと塗り薬、

「お尻のカーブで貼りにくいかもしれないけど念のため」

と言われて湿布と保護テープ、それにサポーターとガードルを処方してもらいました。本来、仙骨の骨折では保険適用でサポーターを処方できないとのことで、

「背中の捻挫、いわゆるぎっくり腰にもなってるってことにしてあげるから、それで保険が効くからね」

と言われ、初診料と合わせて3500円ほどで済みました。サポーターとガードルでかなり楽にはなっているものの、それを外すトイレでの痛さはそれはそれはひどいもので、あまりトイレに行かないせいで、ひどい便秘にもなりました。1週間後に再度病院に行き、痛み止めと塗り薬を追加処方してもらいました。1週間で少しよくなったことを伝えると、やはり仙骨の骨折だけでなく、近辺の筋肉も捻挫して痛めていたのだろうとのこと。

「どれくらいで骨折は治りますか?」

と聞いたところ、

「痛みが楽になるのに2~3週間、まったく痛みがなくなるには3か月以上かかるだろう」

とのこと。でも

「曲がってしまったものはどうしようもないから、骨はこの形のままだよ」

と言われました。しかも

「もし用を足す時に直腸付近を圧迫するようなら手術しなきゃいけないかもしれない」

とのことでした。

その後の話(治り具合)

結局半年経った今では、たまに腰が凝ったようなしびれたような感覚にはなるものの、日常生活に支障はありません。用を足す時も痛くないので、怖かった手術もしなくてよくなりました。また、サポーターは腰痛の時も役立っています。何より一番嬉しかったのは、お尻の形が綺麗になったことです。もともとお尻がぺたっと潰れたような形だったんですが、骨折して「く」の字に曲がったことで女性らしい丸い形のお尻になったようです。彼氏も「なんかお尻上がった感じする」と言ってくれて、痛かったしもう二度とやりたくないけど、嬉しいこともあったなと思っています。