医療機関で事務の仕事をしている31歳です。

今から2年前の29歳の夏、友人とキャンプに行こうと車に荷物を積んでいる途中に、左手をクーラーボックスのフタで挟み、左母指末節骨骨折を経験しました。爪が内出血を起こしており落とした直後からジンジンした痛みはありましたが、靴の上からであったため骨折しているなどとは思わずそのまま2泊3日のキャンプに行きました。キャンプ中はずっと痛みを抱えていたものの、川で泳ぐなど友人と普通に遊んでいました。

キャンプから帰ってきてからも数日は痛みが続き流石におかしいと感じたので、近くのスポーツ整形外科を受診しました(勤めている病院に整形がなかったため)。レントゲンの結果、上記の様に左母指末節骨骨折と診断されました。ただ、骨折してから数日放置していたのもあり、骨の位置が少しずれていたためピンニング(先が尖った針金のような金属をドリルに似た機器を使って骨を串刺しにして固定する方法)をするということになりました。その日は時間がなかったため、固定して貰い次の日の朝一でピンニングをして貰うこととなりました。

翌日、再度病院に行きもう一度レントゲンを撮りました。その後、看護師からピンニングについての説明がありました。日帰り、局部麻酔で行うとの説明であったので、その時は非常に楽観的に考えていました。そして、準備が終わり処置室に呼ばれました。最初に麻酔の注射を打たれました。母指の関節と指先の2ヵ所から打たれましたが、関節に打った方が特に痛くて思わず声が出てしまいました。麻酔が効いてきた頃合いを見計らって治療が始まりました。X線透視下で行われましたが、まずは整復を行うと告げられ、男性の医師二人が物凄い力でグイグイ指を押していました。麻酔が効いていたため特に痛みを感じませんでしたが、なかなか良い位置が決まらなかったようで押したり引っ張ったりと骨折が悪化するのではないかと正直不安になりました。

整復が終了後、ついにピンニングが始まりました。2方向から針金を刺して固定するとのことで、まずは指先から金属が入っていきました。ドリルで針金が回転しているので刺さってから振動を感じましたし、麻酔下ながら鈍い痛みもありました。1本目はすんなりと刺さったようでそれほど時間はかからずに終わりました。そして、2本目が始まりました。1本目に対して斜めに入れるため、爪の付け根あたりから2本目を刺されました。しかし、2本目が上手く入らなかったようで、何回も刺したり抜いたりされました。終了後、指を見ると何回も刺そうとしたので傷だらけになっていました。帰宅後、麻酔が切れてからはとにかく痛みが強く、ロキソニンを飲みましたがほとんど効果はなかったと思います。

ピンニングを行った次の日に再度病院に行き、レントゲン検査を行い目立った化膿や位置ズレもも無くその後は週1回の通院(毎回レントゲン検査)となりました。通院中、左手は包帯で巻かれていましたが、利き手でなかったのもあり、職場の同僚からは突き指と変わらないような軽症扱いだったのが非常に悲しかったです。

ピンニングを行ってから約4週後、レントゲン上でも骨が充分にくっついたように見えたので、ついに針金を取ることになりました。取る時は入れる時と同様に、部分麻酔で行いました。取る時がどんな機器で行われるかドキドキしましたが、非常に原始的な方法で針金の刺さっている場所の皮膚を少し切開し、ペンチの様な機器で力づくで抜かれました。10分もかからなかったと思います。針金が刺さっていた期間は指を動かすことは出来なかったので、関節が非常に硬くなっており簡単なリハビリを3回しました。お湯で温めてリハビリ担当の人に少しマッサージをしてもらい、タオルや小さいボールを掴むリハビリをしました。特に掴みにくいといった後遺症もなく無事に完治しました。

一般的に骨折といえば三角巾や松葉杖があると重症のイメージが強く、指先程度(特に利き手じゃない方)だと会社の同僚はおろか、家族もあまり労わってくれず長距離の運転もバンバンさせられました。指先とはいえ骨折には変わりない!と少し悲しくなった出来事でした。