東京都内の大学に通う、21歳の女子大学生です。

私が初めて骨折したのは、高校生の頃、17歳のときでした。骨折した箇所は腰で、おしりのすぐ上の箇所を疲労骨折しました。骨折した日には、学校でマラソン大会がありました。私は走るのは苦手でしたが、それでも2000mを完走しました。学校付近の公園で催されたマラソン大会から、何事もなく学校に戻り、体の異常に気づいたのは体育館で校長先生の話を聞き終わったあとのことでした。マラソンの最中にも疲労は溜まっていたはずですが、校長先生の話は長く、長時間体育座りをすることで更に腰に負担がかかっていたのでしょう。最初は

「ん?なんとなく気持ち悪いな、、、」

という程度でしたが、だんだんと、今すぐ吐きそうなほど気持ちが悪くなってきました。しかし学校を終えて帰宅した頃には、なぜか腰の痛みも気になるようになりました。しかしその時は腰の痛みというよりも吐き気のほうが大きく、家族には風邪ではないかと心配され、私も風邪だと思い込んでしまいました。しかし、額を冷やすシートを貼って、ベッドに寝転んだ時、、、とても寝てはいられないような腰の痛みが私に襲いかかってきました。

腰は痛いけれど、歩くことはできます。吐きそうでもありましたが、やはり歩けないほどではありません。激痛というよりは鈍痛でした。救急車を呼ぶことははばかられ、タクシーで病院に行くと、マラソンをしたことによる疲労骨折だと診断されました。母も私もまさかマラソンで骨折をするなんて!と驚きました。転んでもいない、ぶつけてもいない、それでも骨が折れることがあると、私は初めて知りました。

初診では、体重が軽いことを指摘されました。当時の私は平均体重より10キロ以上軽く、平均体重になった今現在と比べるとかなり怪我が多かったように思います。筋肉が足りず、骨や筋を守れないことで様々な怪我を引き起こしており、今回の骨折もそれが原因の一つだと診断されました。こんな痛い思いをするくらいなら、少しは筋トレを始めようと感じました。

結局は手術の必要もない軽い骨折だったのですが、骨折がはじめてだった私にとっては、「骨折」というだけでとても恐ろしいことのように感じられました。そんな時、レントゲンを見ながら「自然に治りますよ」と笑いかけてくれたお医者様の言葉でとても安心したことを覚えています。また、処方された薬だけで治るとは思えず不安でしたが、「これを飲めば大丈夫だよ!」という強い励ましの言葉もあって、私は元気になれたように思えます。

また、腰の骨折は腕の骨折などとは違い、包帯などで完全に固定することができません。腰の形を石膏でとり、自分専用のコルセットを巻くことで少し楽になりました。コルセットの代金はかなり高くついた印象がありますが、自分の体の形にぴったりとフィットしていて、丁寧に作ってもらえてよかったなと感じました。胸の下からお尻のすぐ上までひと繋がりになったコルセットは、今でもなぜか捨てられずにとってあります。

私は骨折するまで、痩せていること・体重が軽いことは良いことだと思っていました。骨折した時は痛みも強く、なにをするにもコルセットは不自由で辛かったですが、骨折を通して、筋肉をつけることの大切さを学ぶことが出来ました。痩せることよりも健康でいることの方が大切に感じるようになった今、友達には「今の方が健康的でいいよ!」と褒められることも多く、骨や筋を痛めることもなくなりました。また、「走っただけで骨折した!」という話は『持ちネタ』として、友達を笑わすために一役買っています。今では骨折をしたこともよい思い出になっています。