現在46歳で会社員をしております。

骨折したときは22歳で学生でした。病院で診断の結果、左足のすねの疲労骨折でした。骨折した際、まだ学生で野球をやっていました。将来野球を職業にできるようなレベルではなかったのですが、最終学年ということもあり、非常に気合いを入れて日々練習していました。その際、ピッチャーをやっていたので特に力を入れたのは下半身強化のためのランニングでした。毎日1時間くらいは走っていたと思います。

ただ、練習を重ねていくうちに徐々に左足のすねに痛みを感じるようになってきました。最初は我慢できるレベルの痛みで、特に走り始めてある程度の時間が過ぎると痛みが消えてきたので気にしていませんでした。しかし、痛みは徐々に増してきて最終的には練習はおろか普通に歩くのも非常に辛いほど痛くなってきました。ただメンバーには心配をかけたくなかったので黙っていました。またメンバーの前では歩く時もできるだけ普通に歩くよう心がけていました。ただ、最後の大会まであと2ヶ月くらいあったので、早めに診て貰おうと思い病院に行くことにしました。ちなみに後でメンバーに聞いたところ、

「あるときからお前、左足を引きずるように歩いていたたのは知っていたよ。キャッチボールとかしていてもボールに勢いがなくなってきていたし、もしかして痛いのかな、と思っていた。」

と言われました。もうメンバーにはバレていたようです。病院は近所の総合病院に行きました。正直、病院に行くまでは何科で診て貰えば良いのかわからなかったので受付で症状を言うと整形外科に行くよう指示されました。病院で待つこと、2時間くらい、田舎の病院だったので高齢者が多く待っていました。

「今日はお隣さん来ないねー」

「あー、今日は腰が痛くて来られないって言っていたよー」

等漫才のネタと同じ会話が聞こえてきてビックリしたのを今でも鮮明に覚えています。ただ、自分としては早く練習に行きたかったのですごく長い2時間に感じられました。ようやく問診が始まりました。お医者さんは左足の動きを確認するとともに痛い部分の確認のため、足を触りました。そしてX線撮影を行いました。その後の診察で、

「この写真に線が入っているのが見えますか?疲労により骨にヒビが入っています。結構無理したんじゃないかな。ちょっと練習は休んで欲しい」

と言われ、どれくらいの期間休む必要があるのか聞いたところ、

「1ヶ月は安静にして欲しい」

と回答がありました。そんな長い期間休めない、と言ったところ、

「じゃあ、ちゃんとした治療は大会が終わってからやりましょう。ただそれまでは練習は抑え気味にして、リハビリでフォームをチェックし矯正しましょう」

と言われ、スポーツを専門にしている整形外科を紹介され、リハビリがスタートしました。リハビリでは歩き方のチェックから、走り込み不足を補うための筋力トレーニング方法を教わりました。普段の練習は走り込みをしないようにして他の練習に力を入れるようにしました。大会ではある程度勝ち上がれましたが、最後の試合で、試合前から痛みが限界を超え、それでも無理してマウンドに上がったのですが滅多打ちをくらい負けてしまいました。試合後の反省会で骨折の事を白状すると

「仕方ないよ。お前が投げなきゃここまで勝てなかったし。」

と慰めてくれました。ただ、その後のお疲れ様会では、アルコールが入ると

「痛いんだったらとっととマウンド降りろよ。全然ボールダメだったんだから」

とメンバーからはからかわれました。あの時のメンバーに会うと今でも笑いのネタにされています。骨折して得したことは、あの時のメンバーに会うと今でも笑いのネタにしてもらえるこ、あと仕事で苦しい時、「あの時の痛みに耐えられたんだから」とおじさんになった今でも踏ん張れることでしょうか。